sorakoの日々徒然

老年期マダムのつぶやき。

中庭のオレンジ

吉田篤弘さんの『中庭のオレンジ』を読む。f:id:sorakko4:20230514161841j:image

吉田さんの作品はいつも少し不思議な雰囲気を醸し出している。静けさと誠実さと、時々市井の人の逞しさもチラリと垣間見える。不思議な事が起こっても説明は無い。人間が理解出来ようが出来まいが起こるべきことは起こる。

登場人物たちは私とは真反対な人が多い。えーー!ひゃーー!!というような派手な感情の急上昇急降下が無くて、それなりに悲しんだり驚いたりしつつも淡々と受け入れて生きているように思える。

読んでいくうちに自分の内側がだんだん静かになってくるから不思議。そんな文章に惹かれる。